医療費控除の対象と対象外になる費用について解説

平成31年・令和元年分の医療費控除の対象となる医療費と対象にならない医療費の大原則は次の二つです。①治療を目的とした費用 ②平成31年・令和元年(2019年)中に支払った医療費。

医師の処方や指示によるものは原則として大丈夫。たとえば市販薬であっても風邪薬は控除の対象になりますが、うがい薬は治療目的ではなく予防目的とさるので控除対象外。病院の請求書があっても支払いが終わっていないものについては控除の対象にはなりません。

それでは医療費控除の対象になる費用と対象外と見なされる費用について代表的なものをQ&A形式で解説していきます。

医療費控除の対象・対象外となる費用

治療に関する費用で医療費として認められるものは?
●認められるもの…病院や医者に支払った治療費や診療費
●認められないもの…予防接種・人間ドック・健康診断の費用。ただし健康診断で病気が発見されて引き続き治療が必要になった場合はその健康診断の費用は控除の対象になります。

歯科に関する費用で医療費として認められるものは?
●認められるもの…虫歯の治療、金歯・入れ歯の費用(保険の効かない金歯や金冠も認められます)、治療としての歯列矯正
●認められないもの…美容のための歯列矯正、歯石・歯垢除去、ホワイトニングの費用

眼科に関する費用で医療費として認められるものは?
●認められるもの…レーシック費用、緑内障・白内障治療のためのメガネ代(医者の処方箋が必要)
●認められないもの…乱視・近視・遠視用のコンタクトレンズ・メガネ代、メガネを作るための検眼費用

薬代で医療費として認められるものは?
●認められるもの…医師の処方にもとづく治療薬全般(漢方薬も含む)、風邪薬・胃腸薬・鎮痛剤・傷薬などの治療を目的とした市販薬(医薬品)
●認められないもの…風邪の予防を目的としたうがい薬、健康増進のための漢方薬・サプリメント・ビタミン剤・栄養ドリンク

鍼灸・マッサージで医療費として認められるものは?
●認められるもの…治療のためのマッサージ・あんま、はり、灸、柔道整復師(有資格者)による施術費、有資格者によるカイロプラクティックの施術費は条件付きで認められる場合もあります。
●認められないもの…無資格の者が行なったマッサージなどの施術費、健康や疲労回復のために行なったマッサージなど

通院時の交通費で医療費として認められるものは?
●認められるもの…通院のための交通費(電車賃・バス代)、足の骨折などやむを得ない場合のタクシー代、患者ひとりで通院が困難な場合の付添人の交通費
●認められないもの…通常の通院のタクシー代、自家用車で通院したさいのガソリン代・駐車場代

医療器具などの費用で医療費として認められるものは?
●認められるもの…義手・義足の購入費用、通院や受診に必要な松葉杖・車椅子・補聴器などの購入費用、大人用おむつ代(おむつ使用証明書が必要)、人工肛門使用者のストマ用装具の費用(使用証明書が必要)
●認められないもの…医師の診断がない補聴器の購入費用、通常のメガネ代、マッサージ器や血圧計、体温計など健康増進のための器具購入費用

入院費用で医療費として認められるものは?
●認められるもの…部屋代、医師の指示による差額ベッド代、入院中の本人の食事代、温泉地のリハビリ専門病院の入院費、治療に必要な水枕・吸い飲み
●認められないもの…本人の都合による差額ベッド代、出前や外食代、入院中に看護を頼んだ親族・知人・友人への謝礼・付き添い費用・食事代、医師や看護師への謝礼

原則は医療費として認められないものでも条件付きで認められるケースもあります。自分で判断しかねる場合は、国税庁のタックスアンサー「 医療費控除の対象となる医療費 」で確認したり、所轄の税務署に問い合わせをして判別してください。