犬や猫などペットの治療費は医療控除の対象にはなりません。理由は…

犬や猫など動物病院で治療を行なったペットの治療費は医療費控除の対象にはなりません。治療代が年間10万円を超えたとしても控除対象の医療費としては認められません。その理由を以下に示します。

所得税法(医療費控除)第73条で、医療費控除の対象となるのは「本人または生活を一にする配偶者その他の親族」と明記されています。

「我が家の愛犬●ちゃんは家族の一員です。というか家族なんです。飼い犬なんかじゃありません。ペットとして扱われるのは心外です」と、あなたがいくら主張しても(お気持ちは理解できますが)法律上、ペットは「生活を一にする親族」とは見なされません。

ペットはペット。わが子同然と思っても、ワンちゃんや猫ちゃんをあなたの扶養親族に入れることはできませんので、確定申告で行なう医療費控除では、ワンちゃんや猫ちゃんの治療代は、現状では認められないわけです。

犬

また、所得税法施行令(医療費の範囲)第207条には、医療費の範囲として「医師または歯科医による診療または治療の対価」「病院、診療所(またはこれに準ずるものとして財務省令で定めるもの)」とあります。

ここでいう「医師または歯科医」には獣医は含まれません。「病院、診療所」も同様。動物病院は含まれません。あくまでも対象は人間。それも「治療を目的とした費用」が医療費控除の対象になります。

ワンちゃんや猫ちゃんが病気やけがで手術などを行なうと、かなりの費用がかかります。10万円どころか、症状やけがの状態によっては、30万円、60万円と、高額な治療費を請求されることも多々あります。

生活を一にする親族であれば、当然、こうした高額の治療費は医療費控除の対象になりますが、残念ながら確定申告ではペットの治療費は医療費としては認められません。

大切なワンちゃんや猫ちゃんの万一の病気やケガに備えて、ペット保険に加入しておくというのも、治療費の負担分を減らすひとつの対策として考えられます。